1/7「小説」

    時々、岸波さんは小説を書かないんですかと訊かれる。わたしは短歌をつくったり詩のエッセイを書いたりしてるが、創作の代表格と言えばやはり小説だから、そう訊ねられるのは、さもありなんである。小説は小説内のジャンルも新人賞の数も多いので書くための目標は立てやすい。好きな作家が選考委員の賞に出してみたいとまったく思わないわけではない。ただ単純に小説は読みたいものがすでにあるし、書く時間があるなら読む時間にあてたいというのがある。その点、絵を書いたり短歌をつくったりするのは小一時間で済み作品自体もその日のうちに完成するので満足度が高い。創作は日課で継続していくのが楽しい。絵なら100枚、短歌なら300首と適当にできそうなゴールを決めてやってるので、新人賞の〆切までに何枚、というのは窮屈なのだ。ちょっとでも窮屈だと続かない。それだったら、枚数決めずに一年間書き続けるとかの方が面白そうだと思う。でもそれをやるなら今じゃない。今年は日記を毎日書くと決めているから。なのでもしかしたら2022年は毎日小説を書くのを日課にするかもしれない。楽しくやれるんだったらどこの純文学の賞にも送れない長い小説を書いたっていい。結果を求めるならそんなやり方は間違いだろうが、いちばん書きたい小説を自由に好きに書いたらわたしの場合、たぶんそうなる。日記で毎日をカットして書いてるから、いま書きたい小説はダラダラいつまでも終わらないようなやつだ。ブッツァーティの『タタール人の砂漠』がいまは思い浮かぶ。