1/25「収録」

    ラテンアメリカを読んでいくと決意したので、『ラテンアメリカ文学ガイドブック』を読み出したのだが、本書では作者の寺尾隆吉が「何を読むべきか」とともに、「何を読まなくていいか」を判断するための情報を盛り込んでいるので、安易に作品を称賛せずに辛口評価を厭わない姿勢に大変に感銘を受ける。初っぱなのアルゼンチンの女性作家サマンタ・シュウェブリンなんてぜんぜん誉めてなくて笑った。それを抜きにしてもアルゼンチンはボルヘスコルタサルのように短編小説の伝統があるから他の国とはちがって短編集が売れているという話なんかものすごくためになる(他のラテンアメリカの国々では短編集は売れないので長編小説がメイン)。ついさいきんわたしが読んだチリの作家、アレハンドロ・サンブラは政治的・社会的動乱が一切かかれてなかったがそれは作者がそういう作風をあえてやってるのかと思っていたが、革命や内戦、軍事独裁政権、ゲリラ戦争といった激動の時代に関わってない新世代の作家だから実世界の経験に乏しいのが理由である、という話も、なるほど、とうならされた。ただそんななかでわたしの大好きなフアン・ガブリエル・バスケスはわりと誉めちぎってる感じだったのでうれしかった。またラテンアメリカ文学の新人賞の黒い噂の話も、いかにもラテンアメリカっぽいなと納得できてしまうのがおかしかった。このあとわたしがもっとも好きな作家の一人、オラシオ・カステジャーノス・モヤも出てくるようなのでどう書かれているか楽しみ。いま読んでハマりそうなカルロス・フエンテスも(今日『テラ・ノストラ』も注文した)。この本はつねに携帯しておきたい本になりそうだ。

 

    昼過ぎにNENOiで柿内さんと待ち合わせして戸山公園に行ってポイエティークRADIOの収録をした。ゲストとして呼んでもらい詩についての話を中心にさいきんのわたしの活動なんかについておしゃべりした。こういう体験ははじめてでとても楽しかった。いつも考えているようなことを話しているつもりでも、あたらしい発見があったし、やはりそれは一人では気づけない、というよりも、気づいていてもそこまで重要だと意識されてなかったことが他者のことばによりその重要度が増すのだなと思った。やるまえはラジオでは話すことが重要なのかと思ってたが、話を聞くことでかなり重大な発見があったということこそが発見だった。収録後、家に帰り柿内さんのラジオの友田とんさんの回を聴いた。おもしろかった。他の方がどういう感じでやり取りしてるのか意識しないようにあえてこれまで聴かないようにしていたのだけど、終わったのでこれからはポイエティークRADIOを作業の間に聴くのを楽しみにするつもりだ。わたしのゲストの回は来週の月曜日とのこと。外で録ったので、のどかな公園の雰囲気も出てるようなのでどうなってるのか今から楽しみである。